緑内障とは

私たちの目の奥にある網膜には、視神経と呼ばれる神経線維が集まっています。この神経線維で集められた視覚情報が脳に届けられ、周囲の景色などをきちんと見ることができるのです。しかし、緑内障という病気になると、眼圧の上昇などによって視神経が傷つき、視野が欠けてしまいます。病状が悪化すると、失明の原因ともなるので、注意が必要です。

当院では、大学病院で緑内障の専門治療を数多く手がけてきた院長が診療いたします。下表のような症状がみられるときは、早急に当院をご受診下さい。

このような症状の方は早急にご来院を

  • 見える範囲(視野)が狭くなったような気がする
  • 視野の中に、見えない場所(暗点)がある
  • 急激に目の奥が痛む
  • 目が充血している
  • 周囲の景色がかすんで見える
  • 頭痛や吐き気がある など

また、人間ドックで緑内障の疑いを指摘されたといった場合も、以前受診し問題ないと言われていても、進行し緑内障となっている場合がありますので、眼科をご受診ください。

40歳を過ぎたら緑内障検診を

緑内障の罹患率は男女ともに50歳を過ぎたあたりから急増します。しかし、視神経は一度障害を受けると、もう元には戻りませんので、緑内障を発症してから治療を始めるのでは遅すぎるのです。病気の徴候は40歳ごろから徐々に見られるようになりますので、この時期に眼科を受診なさることをお勧めいたします。特に近視が強い方、血縁者に緑内障の患者様がいるといった方はリスクが高くなりますので、まずは検診をうけてみましょう。

緑内障の治療

緑内障の治療では、まず薬物療法を考えます。点眼薬によって眼圧を下げていくのですが、病気のレベルに応じてさまざまな機序の点眼薬を組み合わせていきます。また、レーザー治療という選択肢もあります。レーザー虹彩切開術(LI)や選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)などの方法があるので、患者様の状態を見極めたうえで判断いたします。(SLTの詳細はこちら

なお、上記の方法でも改善が難しいような進行性の緑内障には、手術を行います。ただし、こうした手術は患者様の負担が若干重くなるため、当院では、まずMIGS(低侵襲緑内障手術)という、より眼に負担の少ない手術によって治療を行うことを目指します。MIGSには線維柱帯切開術、iStent(アイステント)を用いた眼内ドレーン挿入術などがあります。眼圧の上昇は眼の中の水(房水)の代謝が悪いことによりますので、目詰まりを起こしている排出経路(線維柱帯)を切開し、房水の排水効率を良くするものが線維柱帯切開術です。また、iStentは白内障手術と同時に行うもので、線維柱帯に挿入することで房水が排出される手助けをしてくれます。

また、合併症のリスクは上がるものの、十分な眼圧低下が必要と判断された場合は、線維柱帯を一部分切除して白目に房水のバイパス経路を作成し、そこから房水が流れるようにして眼圧の低下をはかる「線維柱帯切除術」などを行います。大学病院などで緑内障の手術を数多く手がけてきた実績を踏まえ、患者様の状態を慎重に判断し、なるべく負担がかからない術式を選択いたします。