• 10月 15, 2026

オルソケラトロジーを始める前に確認したいこと|子どもと保護者の準備

監修医師:くろかわアイクリニック 院長 新留 翔一朗

「夜にレンズを使う治療が気になるけれど、うちの子に続けられるだろうか」。オルソケラトロジーは、目に合うかどうかだけでなく、毎日の管理と通院を続けられるかも含めて検討する治療です。

このページでは、初回相談からレンズ導入までに、本人と保護者が整理しておきたいことをまとめます。始めることを前提に急ぐのではなく、仕組み、負担、リスクを確認し、ほかの選択肢も含めて相談しましょう。

始める前に、家族で4つの確認。本人の希望:何に困り、どう過ごしたいか。目に合うか:検査と診察で適応を判断。毎日の管理:装着・取り外し・洗浄・消毒。通院と費用:定期検査と継続の負担を確認。適応・効果・必要な管理は一人ひとり異なります。
適応・効果・必要な管理は一人ひとり異なります。 図の要点は本文でも説明しています。

本人と保護者で、治療に期待することを話しましょう

オルソケラトロジーは、就寝中に専用のハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形を一時的に変えて近視を矯正する方法です。レンズを外した後の矯正効果を利用しますが、近視そのものが治るわけではなく、見え方や効果の持続には個人差があります。

「日中の眼鏡を減らしたい」という希望と、「近視の進行が心配」という相談は、分けて整理しましょう。小児の進行抑制に関する研究報告はありますが、近視矯正の承認効能と同じ意味ではありません。希望した結果が必ず得られる治療ではないことも確認が必要です。

本人がレンズの扱いに不安を感じているなら、その気持ちも大切な相談材料です。保護者の希望だけで始めず、夜と朝に何をするのか、どこを大人が支えるのかを一緒に考えてください。年齢だけで適応を決めることはできません。

くろかわアイクリニックのコンタクトフィッティングルーム
当院のコンタクトフィッティングルーム。公式サイトの院内写真を掲載しています。

初回相談と適応検査で、確かめること

目の度数だけでなく、角膜の形や目の健康状態などを検査し、医師が適応を判断します。アレルギー、乾燥、現在のコンタクトレンズ使用、これまでの目の病気なども伝えてください。「友達が使っているから同じようにできる」とは限りません。

現在コンタクトレンズを使っている場合、検査前に装用を控える期間が必要になることがあります。種類や使用状況で異なるため、予約時に確認しましょう。自分の判断で期間を決めたり、検査の直前まで使っていたことを伝え忘れたりしないことが大切です。

当院の検査、トライアル、料金、注意事項は、オルソケラトロジーの公式案内でご確認いただけます。当院では2週間のトライアルを案内していますが、その後の継続を約束するものではありません。合わない点も含めて相談してください。

レンズ導入では、家庭での管理まで確認します

装着と取り外しができることに加え、毎日の洗浄・消毒、レンズやケースの管理が欠かせません。説明を一度聞いて終わりにせず、本人と保護者のどちらが、いつ、何を確認するかを決めておくと、家庭での負担を具体的に考えられます。

泊まりの行事や旅行、部活動で生活のリズムが変わる日もあります。装用を休むときの対応、予備の眼鏡、レンズを破損・紛失した場合の連絡先を、導入時に確認しましょう。装用時間やケア方法は、処方時の指示を守り、自己流に変えないでください。

充血、痛み、見えにくさなどの異常がある場合は装用を中止し、速やかに眼科へ相談してください。無理に使い続けたり、症状が軽いからと次の定期検査まで待ったりしないことが大切です。日中の見え方がよくても、定期検査は必要です。

くろかわアイクリニックの検査室
当院の検査室。公式サイトの院内写真を掲載しています。

自由診療の費用と主なリスクを、同じメモで確認

本治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。当院公式掲載の税込料金は、適応検査5,000円、2週間トライアル両眼30,000円・片眼20,000円、本治療月額両眼9,900円・片眼6,600円です。安定後の3か月ごとの定期検査は月額料金に含まれます。

継続する期間によって総額は変わります。仮に本治療を12か月継続する場合の月額料金の合計は、両眼118,800円・片眼79,200円で、適応検査やトライアルは別です。用品、交換、破損・紛失時などの追加費用や契約条件は、開始前に個別の見積もりで確認してください。

主なリスクは、異物感、まぶしさや光のにじみ、角膜上皮障害、角膜感染症、矯正不足などです。感染症が重症化すると視力障害につながる場合があります。清潔な取り扱いと診察を続けてもリスクがなくなるわけではなく、効果にも個人差があります。

当院は公式案内で国内承認レンズの使用を示していますが、小児への処方は慎重な判断が必要です。近視進行抑制は国内承認効能とは区別し、使用するレンズの承認範囲と治療目的を診察で確認してください。開始直後の診察時期は、安定後の定期検査とは別に指示を受けましょう。

始められるかどうかと、無理なく続けられるかどうかは、どちらも大切です。見え方だけでなく、本人の気持ち、家族の管理、通院と費用を並べて考え、納得して選ぶための相談にしていきましょう。

この記事の監修医師

くろかわアイクリニック 院長 新留 翔一朗

くろかわアイクリニック 院長

新留 翔一朗

日本専門医機構認定 眼科専門医。鹿児島大学卒業。東京医科大学病院眼科、東京医科大学病院茨城医療センター助教などを経て、くろかわアイクリニックを開院。日本眼科学会・日本緑内障学会所属。

院長の経歴・資格とクリニック紹介

参考にした情報

この記事は一般的な情報であり、個別の診断や治療方針を決めるものではありません。症状や治療については、診察でご相談ください。

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